ある日、1人の若い女性と宮尾美也さんは森の中でクマに出会いました。
花咲く道で、きっとクマも花を見にきていたのでしょう。
急な出会いで、クマは大きく吠えました。
クマ「GRAAAAA!」
「むむ、これは、クマさんは早くお逃げなさいと言ってますな〜。クマさんの方を見ながら穏やかに距離をとりましょう〜。背中を見せて走ったりしてはいけませんよ〜」
こうして距離を取った2人ですが、クマさんは後から付いてきてしまいます。
クマ「すみません、お待ちいただいてよろしいでしょうか。こちらの白い貝殻の耳飾りをどちらか落とされたりしませんでしたか?」
クマさんは落とし物を届けにきただけでした。
2人はクマさんへお礼にと歌を歌ってあげました。
1.空に手が触れる場所(宮尾美也)
2.Sister(お嬢さん)
3.シルエット(クマ)
4.虹色letters(宮尾美也.島原エレナ)
5.Brand New Theater!(全員)
ステージが終わり、一同はステージ裏へと引き上げる。滴る汗も高鳴る鼓動も全てはこの身体を包む心地よさとなっている。
今日までのレッスンやツラいこと、努力したことは、この日のこの瞬間の為にあったのだと、言葉にはしないが皆理解しているようだった。
観客席の方からは、もうすでに破れんばかりの声でアンコールと鳴り響いている。
「アンコール、いけるか?」
疲れていたからか、それともそんなことを聞いたことが野暮だったのか、彼女たちはニコリとだけ微笑むと声援の待つステージへと掛けていった。
悲鳴ともとれるような声が会場を包む。
彼女達のステージは、まだ始まったばかりなのだ……。