【秋はすみっコ映画の季節】
先日、映画『すみっコぐらし 』を観てきました。
今回で映画は3作目。なんやかんや、毎回劇場で見ております。前作、前々作共に感動で涙は流すは鼻は出るはと、みっともない姿を晒したので今回はしっかりハンカチとティッシュを持参。
案の定、持っていって正解な形となりました。
今回も非常に面白かったので、個人的に好きだった点などを交えて話してみたいと思います。
【ネタバレあり感想】
と言うわけで、早速ざっくりとした感想になるのですが、今作もストーリーは面白かったです。
まさか、映画を見ながらすみっコのみんなが働かされる姿を見るとは思っていなかったので新鮮でした。加えて、後半の急なアクションシーンはワクワク感がありました。
すみっコでちょっとしたカーチェイスというかスピード感のある映像を見るとは思ってもいなかったので、ここも面白い場面でした。
そして、まさかの工場自体が意思を持っているというのは私としては良い意味で裏切られた気持ちでした。すみっコを過去の映画くらいでしか履修していない自分にとって、工場という無機物がこうして意志を持つという事を考えすらしておりませんでした。どうやら、つまんない大人になってしまったようです。こうした感性は子供だったら、スッと理解できちゃうんでしょうね。
まぁ、でもよくよく考えてみたら、とんかつもエビフライのしっぽも、やまも生き物じゃないんだよなぁ……。
まだまだ私はすみっコたちの理解が甘いようですね。
映画全体を通して、個人的に、くま工場長がすごく好きで、みんなの良いところを褒めた所で、めちゃくちゃ良いキャラクターだなと感じました。
このめちゃくちゃ良い、という部分は性格もそうなのですが、それだけでなく相手の良いところをちゃんと褒められる。という所を見せる所が良いなと感じました。少し分かりづらいかも知れませんが。
ようは、すみっコ映画って大人も見られるけど、子ども向けでもあると思うのです。そんな子どもたちに向けて、相手の良いところを褒めるという行為を見せることが、めっちゃ良いなと感じました。
あと、くま工場長のビジュアルが凄く好き。HPとかでも見られるのですが、蝶ネクタイをしているんですけど、こう身体をぐるっと一周させる感じで紐を付けているので、後ろ姿がシュールでとても愛らしいです。
ストーリーが進むにつれて、おもちゃ工事で作られたおもちゃの秘密が明らかになっていき、くま工場長自身もおもちゃだったことが分かるのですが、帽子を被っていて上手くおもちゃ工場のスタンプを隠していたりするのは分かってしまうとシンプルなのですが、意外とストーリーが進むまで気づきませんでした。
くま工場長がおもちゃだと思って振り返ると、最初に工場の電源を入れた際に、「ありがとう」と言ったのも、工場自身では自分に電源を入れられないか、くま工場長を通して工場がお礼を言ったのだと後から気づきました。
工場自体に意思があると分かってもう一度見てみると、また違った発見があるかも知れませんね。
さて、一方で上の方で感動したとは書きましたが、感動の具合でいうと個人的には前作までと比べて、ちょっと弱かったように思います。
工場という無機物に対して、感情をそこまで入れることが出来なかったからかもしれません。(それでもポケットティッシュ1つ使い切るくらいにはぐしゃぐしゃに泣いていたのですが)
ただ、感動が弱いとはいえ、しっかりと心は揺さぶられました。子ども達からしたら、忘れられてしまった工場が可哀想……。と思ったりするのでしょうが、大人からしたら、昔から大切にしていたモノの感情を代弁されたような気がして、改めて身の回りのモノに対して自分がどう接しているのかを考えさせられた感じでした。
この点も、ストーリー全体を通して、シロクマが持っていたクマのぬいぐるみがキーアイテムになっているのは、お話の構成としても凄く良く作られているなと感じました。元々はくま工場長と同じ製品だったのに、母親の愛情であったり、兄弟と過ごした時間がツギハギとなって、くまのぬいぐるみに込められているような気がして、ここで涙してしまいました。
「大切にしてる」言葉では、私も簡単に言ってしまうことが多いですが、本当にそう扱っているかと聞かれると少し答えづらいこともあります。そうした、「大切にする」という言葉の意味と行動を凄く分かりやすく表現されている映画だったなぁ、と今振り返って思います。
なんか、偉そうに語ってしまいましたが、最後に私が好きだったシーンを2つお話しして終わろうと思います。
まず一つ目が、工場の前でくま工場長とみんなとで写真を撮るシーンです。最初は何気ないシーンだったのですが、工場に意思があると分かってから、これは本当は工場がみんなと写真を撮りたかったんじゃないか?!と思ったらもう涙が止まりませんでした。
だってそうでしょ。忘れられた工場にまた人が来てくれて、おもちゃを作ってくれる。工場にとってこんな嬉しいことはないでしょう。それを写真に収めたい気持ちは容易に想像出来るかと思います。ホントいいシーン。
そして、2つ目がエンディングで、くま工場長が映画館として生まれ変わった工場の館長としてちゃんと扱われているところです。
くま工場長はおもちゃだったとしても、ちゃんとみんなから特別な存在であったと感じることが出来る素敵なシーンです。思い出しながらまたちょっと涙が出てきました。
ということで、簡単かつ乱雑ではありますが、今作の映画の感想を話させていただきました。
エンディングで工場から街の映画館になるからこそ、この映画は劇場で見てほしいと思います。
だって、今自分達が見ている劇場もこうしたストーリーがあったかも知れないのですから。そう感じることが出来るのは劇場で見た人だけなのです。
ただ、これを事前にいうととんでもないネタバレになるので言えないというジレンマ。
ホント、すみっコぐらしはいい映画。
4作目も作りますよね?
メインキャラクター全員が主役になるまで映画作って、そのままやまとかアジフライのシッポも話の中心になるくらい映画作りましょう。
すみっコぐらしは、いいぞ。
ほんと。ほんとに良いぞ。